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すべてが習近平の差し金である、という仮説……中国の射撃管制用レーダー照射問題について

 一気に日中関係がきな臭くなった、という感じがする。事の始まりは、言うまでもなくこれである。

【尖閣沖で中国船が海自艦船に射撃レーダー照射 政府、厳重抗議】2013.2.5
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130205/plc13020518340021-n1.htm
 射撃レーダー照射。明確な攻撃の意思表示。こんなことを他国の船に対して行った船は、反撃されて沈められても文句は言えない。
 (この件に関して、朝日新聞が「中国は反撃されても文句の言えない愚挙に出た。安倍がじっと我慢してるのが気に食わないのか」と、書いたのが印象的だった。いよいよ、朝日新聞は、左から中道寄りにその軸足を変えようとしているのか)

 これに対して中国はといえば、
【レーダー照射 中国外務省「知らぬ」一点張り 軍の単独行動 印象付け 2013.2.7 07:06 】http://sankei.jp.msn.com/world/news/130207/chn13020707080001-n1.htm

 これらをうけて、日本国内のマスコミは、「中国は混乱しているのでは」「一枚板ではない」「軍部を掌握していない」と言う論調が目立った。

 さあ。
 はたして、そうだろうか。

 昨年末のことを思い出してみたい。

【中国の習近平指導部が発足、軍トップの座も掌握】http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8AE02120121115
 『胡氏は、総書記退任後も軍事委主席にとどまった江沢民前国家主席の例を踏襲しなかった。これにより、習氏は軍トップの座も同時に手中に収めることができた。』(記事より引用)

 【軍事委主席就任の習近平氏 中国軍史上最大の人事異動の狙い】http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121202-00000002-pseven-int
 『執拗な海洋監視船の尖閣諸島海域への出没も習氏の指示との見方もできよう。』
 とある。

 これら一群の記事を頭に置きながら、ここ一か月、中国が日本に対して行った「友好的外交活動」をもふりかえってみよう。

【中国:鳩山元首相の行動を大きく報道 安倍政権をけん制か 毎日新聞 2013年01月18日 20時24分】
http://mainichi.jp/select/news/20130119k0000m030042000c.html
【中国巧みな外交戦術 村山元首相ら利用?“安倍孤立化”狙う 2013.1.30 19:59】
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130130/chn13013020040003-n1.htm
【中国、甘言の裏で“威嚇” 訪中「成功」の公明党、頭抱える 2013.2.6 20:54】
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130206/stt13020620550007-n1.htm
 これら、日本の数々の左翼的要人への「褒め殺し」とでもいうべき所業。

そしてもう一つ、中国と直接関係はないが、アメリカと日本の間ではこんなことが起きていることも見逃せない。
【NY州議会、「従軍慰安婦」問題で日本政府を非難する決議案を採択】
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00239575.html

 大胆な仮説を、立ててみよう。

 実は、こうした各種の行動を、すべて一人の男が仕切っている、としたら。

 一人の男とは、ほかでもない。
 習近平。
 日本のマスコミは、まだ「危険人物」としてマークしてはいない。
 しかし、大川総裁の書籍読者には、彼のイメージははっきりしている。

 世界皇帝を目指す男。
 チンギス・ハンの再来。

 もし、去年から、今年に起きた、バラバラに見えるこれら一連の事件は、すべて「チンギスハン」習近平が、日本を占領するために行った采配だとすると、ひとつながりにつながり、納得がいく。

 どういうことか。
 たとえば、ここに、中国にとって、どうしてもほしい国がある、とする。
 チンギスハンが現代に生まれていたら、彼はどうするか。

 まず、外圧で脅す。今にも戦争するぞ、討つぞと、強烈な脅しをかける。そして、その国の人々の心を折る。
 (中国のこの行動は初めてではなかった。
 【民主党政権時代にもレーダー照射/民主政権「レーダー照射」隠蔽か/尖閣国有化前 2013.02.07】
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130207/plt1302071139003-n1.htm

 同時に、敵の中に数多く、造反者を出させる。
 国内の愚か者を極端に持ち上げれば、彼らは嬉々として国の分裂に励んでくれるだろう。
(【中国 刺激する言動慎んで 村山氏、首相にくぎ 2013年2月2日 朝刊】http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013020202000106.html )
 もちろん、反原発など、国益に反する思想を大々的に流布することも続けていかなくてはならない。

 さらに必要なことは。
 その国を周囲から孤立させることである。
 日本の場合で言うなら、特に厄介な大国との絆……日米同盟をずたずたにする。
 反米、「米軍は沖縄から出ていけ」運動の展開がそれだ。
 ただし、オスプレイ反対運動は、失速を見せている。(動画【沖縄左翼撃沈!日比谷デモへの保守カウンター!1/27 】http://www.youtube.com/watch?v=saZovwe3FzY&feature=player_embeddedは痛快だった)

 だから、ここでもう一つ、中国は手を打っているのではないか。
 それこそが、韓国への取り込みである。
 昨年から、中国は韓国に近づいている。
 様々な経済援助をし、竹島でも韓国を支持し、韓国が恐れている北朝鮮の攻撃に対しては、中国が北朝鮮に圧力をかけて韓国を守ってくれるように期待させている。
 これらの仕掛けは、日韓を仲違いさせ、その結びつきを断ち切り、互いを孤立させ、飲み込み易くしているように見える。
 事実、韓国は、日米よりも中国を信じ始め、頼りにし始めているように見える。
 もちろん、そのさきにあるのは北朝鮮による韓国併合だろう。国民が自由と財産を奪われ奴隷となるという最悪の未来だ。
 おまけに、韓国を北朝鮮に併合してしまえば、日本を容易に攻撃することができる最高のポジションをとることができる。
 だが、それはもう少し後の話だ。
 いまは、韓国を使って、慰安婦問題を大きなムーブメントにし、アメリカで反日感情を巻き起こしてくれれば、願ってもない日米へのくさびになる……。

 こう考えていくと、まさに「チンギスハンなら、そうするだろう」という展開になっていることに驚く。
 日本人は、いま、チンギスハンの戦略の展開、その手口をまざまざと見せられているのではないか。
 その手腕は、まことに見事、といいたいところだが、ターゲットになっているのは我々だ。
 このままでは、多くの人が気づかぬままに、手練れたその戦のやり口に、のどかな日本はあっさりとられてしまう……そんな未来も見えなくはない。
 なにせ、韓国に関して、その戦略はことごとく大当たりしているのだ。
 けれど。
 もしこれがすべて習近平氏のやり口だとするならば、その手法は、日本に関してだけ、今のところ、どれもみんな、覆されていはしないだろうか。
 それらは「手数は多い割に、空回りしている」ように思える。
 そして、それらの仕掛けが外れることで、むしろ彼の方が追い込まれている感じがする。
 明らかに日本は、守られている。
 一つの叡智が、すぐれた戦略思考の持ち主が、日本人すら気づかぬまま、彼の策を潰す手を打ち続けている。
 あたかも、習近平と向かい合って、アジアという広い盤面の上で、大勢の人々の命を守るための、真剣なチェスをしているように。
 予断を許さない日中関係は続くだろう。
 だが、ここに気づいた人々は、かすかではあるが、希望のありかを探り当てることができるような気がするのではないだろうか、と思う。

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