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11月30日 野田首相VS谷垣総裁 国会党首討論まとめ

 マスコミが、国会の党首討論に関して、ふたたびかなりの偏向報道をしているようなので、2011年11月30日の党首討論のまとめを記事にしておく。

 野田首相 対 自民党谷垣総裁。

 40分程度の討論だったが、マスコミ各社の反応は「野田首相の完勝」という書き方だった。
【野田首相逆襲、安全運転と一線=谷垣氏の追及不発-党首討論 時事通信】http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011113001137
【「自民は消費税の協議に応じよ」読売】http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20111130-567-OYT1T01182.html
【「甘い谷垣氏 不適切発言追及わずか7分“ドジョウ”スルリ2011.12.1 00:21産経】http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111201/plc11120100260000-n1.htm
 (産経は意外だ。これはTPP推進で意見の合う野田首相の擁護だろうか)

 これらの記事を見て、討論を見た視聴者は唖然としたはずである。
 「どうみても谷垣さんの方が勝ってるだろ」……というか、首相が野党に切りつけるたびにやり返され、涙声になりながら協力を懇願した党首討論など、滅多にお目にかかれるものではないからである。

 どこのニュースもまともにとりあげていないようなので、ざっと流れをおってみる。

 まず、谷垣さん、冒頭で、今回の失言問題について触れる。ここが7分。産経は「7分しか」と言っているが、今回の討論はここからが本題なのである。

 このあとで、谷垣さんは、震災に関して、自民党の協力や活動をきちんと説明している。
 (谷垣さんがこの説明を国民にしている真っ最中、同日の裏番組のミヤネ屋では、まだ「自民党が足をひっぱって……」みたいな報道をいたそうである。
 思わず「おいおい、チャンネル変えれば国会で事実が語られているぞ、視聴者なめるのもいいかげんにせんかい!」と申し上げたくなる)
 ここで、谷垣さん、野党と与党の役割も明確に説明していて、その態度にぶれはない。
 そして、ここで出てきた論点はTPP。
 谷垣さんは、「米は守るのか、サトウキビはどうするのだ、具体的な案を出せ」と谷垣さんが質問。
 すると、野田首相はあれこれ説明しながらも解答せず、逆質問として、
 「三年前、自民は、政権下で、TPPに興味があると副大臣が発言していたはずだ。今、自民党の立ち位置はどうなっているのか!」
 と切り返す。
 野田首相は「やった! 一太刀浴びせた!」と思ったはずだが、谷垣さんは全く動じず、
 「細川政権下で、GATTのウルグアイラウンド合意がなされたときは、私たちにすべて情報が開示された。
 だが、あなた方の政権になってから、一切二年間、情報が入ってこない。情報の共有が必要ではないか。情報がなければ立ち位置も決められない」
 とあっさり言い返されてしまう。
 さらに谷垣さんは、『「守りたい」だけではなく、具体的に米やサトウキビをどうするつもりなのか』ともう一度聞く。
 だんだんと口がとがってアヒルのような口元になってくる首相だったが、
 結局、米やサトウキビに関しては全く考えていないのだろう、なにも答えはなかった。

 ……ここで、すでに自民党もTPPは検討していたというのは個人的に面白かったし、自民の言い分にも疑問はあるが、単純に野田さんと谷垣さんの言い合いとしては、野党に情報を出さない民主党の体質、いわば、大川総裁が前々から指摘している「民主党の独裁性」を突かれて、まったく答えられない形になっていたように見える。

 そして、最後に、消費税に関する討論となる。
 谷垣さんが、「あなたがたは消費税を増税するというが、年内に税率まで出して閣議決定する覚悟はあるか」
 と聞くと、野田首相はひたすら「苦しい予算」を連発。
 (……苦しい予算案というのだが、埋蔵金があると言い、ばらまきしておきながら、何を言ってるのかなァと頭が痛い)
 そして、野田首相はここで一転、
 「成案を閣議決定する前に、我々が素案をまとめたならば、自民党は協議に応じることをここで約束しろ。
 自民党は増税することを、自分たちのマニフェストにも書いてあったはずだ。
 我々とあなたたちは同じ主張のはずだ」
 と切り返す。

 ……テレビの党首討論は、ここだけ切り出してかっこよく使っているようだが、
 実は、その前に、谷垣さんから、
 「最低保障年金70,000円を達成するためだけでも、4%の増税が必要。社会保障改革と消費税の設計は関連がある。
 消費税だけではなく、ほかからもお金をもってくることを考えろ」
 と言われ、
 「公務員の給料を削る。だから、先送りしないで協力してくれ」
 と、首相が涙声で野党の党首に訴えているのである。
 (……首相が泣き落としって……すごい事態だな。しかも、泣き落とししてもつっぱねられていた)

 そして、谷垣さんから、きわめつけの一言。

 『民主党は、二年前の選挙で「我々の政権担当時には増税しない」といった。増税はマニフェスト違反ではないか。
 民主党は政権をとってから「いや、マニフェストには消費税をやらないとは書いてない」といっているが、(←もうこの言い逃れの時点で信用無くしていると思うのだが)
 さまざまな諸費用は、「無駄の削減によって捻出する」といい、これは「消費税をやらない」と書いてあるのも同じだ。
 しかも、二年前の選挙で、安住さんも野田さんも新聞アンケートでは消費税反対だと答えた。
 マニフェストは国民との契約だ。
 沖縄の問題も、消費税の問題も、国民との契約だ。
 ウソのマニフェストは、民主主義の破壊である。解散して信を問え』
 と最後に言われてしまう。
 実現党の主張が谷垣さんに乗り移ったかのように、一矢報いてくれた感がある。

 全般に、余裕のある谷垣さんに対して、首相の懸命な語り口は、なんというか、あらかじめ暗記したことを述べているような印象を受けた。

 それにしても、マスコミは、「自民またも責めきれず」というが、この
 「野党、またも責めきれず」
 というのは、民主党政権になってから、毎回常套句のように使われている。
 ちなみに、かわりに新聞・テレビの政治関係の報道で使われなくなった単語は「任命責任」「民意」「高級料亭」「閣内不一致」「国民に信を問う」、などである。
 自民党との対決で、毎回毎回民主党は致命傷のような騒ぎになっているはずだが、毎回報道は一言、「責めきれず」である。
 首相を涙目にしてまで「責めきれず」なのだから、いったいどうやったら「責めきった」になるのか。
 もはや国会の最中に、首相にその場で心臓停止でもさせればいいのか、国会を見ている視聴者は、このフレーズが出てくるたびにマスコミ離れしていくことだろう。

 ただ、最近、野田首相に関しては、「おや」と見直すことがある。
 TPPにしろ、この記事にしろ、日米同盟を固めようと本腰を入れている点である。
 【首相、1月上旬に訪米へ 武器輸出三原則緩和表明に意欲 2011.12.1 01:37 】
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111201/plc11120101370001-n1.htm
 アメリカはやがて、段階的に日本から退いていく。この未来はおそらく確定しているものではないかと思う。
 そのための国防路線としても、この動きはありがたく感じられるのだが……。
 こんなこと、自民がやったら「軍靴の足音が聞こえる!」と、壮絶な袋だたきにあうはずだが、民主がやるなら誰も何も言わないのだろうか。
 だとしたら、これ幸いで、野田首相には、マスコミの大甘なガードの中で、保守政権に戻ったときに文句が出そうな話を、今のうちにどしどしまとめていただきたいものである。
 無理な復興増税などではなく、そうした「国防による平和への選択」こそが、ほんとうの意味で「子供達に負担を残さない」ということではないかと思うのだ。

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