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TPPと、大川総裁の「マスコミの終焉」の予言(3)

 東販・日販の絶対権力について、前回で触れた。
 じつは、この仕組みに関しては、初期の会員さんたちが非常に詳しい。

 今となっては想像もつかないだろうが、初期の会員さんたちの活動は、総裁の書籍を、「とにかく大勢の人の目につくように、日本中のすべての書店に置いてもらう!」ということを活動の目標にあげた。
 さらに言えば、東販・日販の機嫌をそこねない……つまり、東販・日販の週間・月間売上げに、つねにランクインさせつづける、ということにもかなりのウエイトが置かれていた、と思う。
 ……ということで、今回はちょっと昔話。

 幸福の科学の初期には、自分たちのエリアのどんな小さい書店も、とにかく一軒一軒まわって、けんもほろろに断られながら、幾度も頭を下げるのが活動のスタートだった。
 最初は何の知識もなく書店を回り、うさんくさがられていたが、その熱心さに書店主さんたちは関心をもってくれた。
 書店主さんたちは、書籍に挟まっているスリップの意味から、書店回りにはスーツを着ていかねばならないことから、埃をはらって並べ替えるだけで書籍は売上げが上がるものだ、などなど、書店主さんからいろいろ教わったのだ。
 その通りに書店の総裁の書籍のほこりをはらい、並べ替え、自作のPOPを持っていき置かせてもらい、毎週のように売上げをチェックしては一喜一憂して、足りない本の補充をかけた。
 そうやって、一冊でも多く、先生の本を置くスペースをひろげて貰って、少しお金ができると、専用の棚を自腹で入れて貰った。

 角川の文庫の『太陽の法』が出たときだった。
 今でも思い出すのだが、やっとの思いで、新幹線の止まる大きな駅の構内の書店さんで面出しスペースをつくってもらったことがある。
 だが、総裁の知名度はまだまだで、そうそう宗教書の文庫など売れるものではない。思ったほどにブレイクしなかった。
 ついに書店から「売れないじゃないですか。もうこれ以上はだめです。」と言い渡された。冗談じゃない。地方で一番大きな駅の書店にあるのとないのとでは、東販日販の週間売上げ総数ベストテンにだって影響がある。こっちは必死で、
 「どうしたら置いていただけますか」
 と聞いたら、
 「いまある在庫が半分売れたらいいですよ」というので、
 「じゃ、今、私が買います。コーナー続けてください。」
 と即答し、その場で有り金はたいて、買えるだけの在庫の書籍を買い上げた。
 「残りはすぐに買いに来ますから」と言ったときの店員さんの驚愕した顔は未だに忘れられない。
 その後、コーナーは順調に続き、駅の書店からは少しずつ、売上げが伸びるようになって、こちらとしてもいろんな意味で冷や汗を拭う思いだった。
 
 今では、どこの書店にも総裁の書籍はコーナーがあり、順調にベストセラーに入っているが、昔は、日本全国、どこでもそんな活動がスタンダードだったのである。
 まるで、絶えず寒い風しか吹かない固い土地に作物を根付かせようとするような、そんな必死さで、こんな活動をやっていたのだ。
 
 ……ところが。
 そこまでやって、売上げが上がっても、ベストセラーの名前から、一瞬にして総裁の書籍が消えてしまうことがあった。
 最初、現場は信じられなかっただろう。
 先週一位で、同じ手応えがあるのに、突然、発表では今週十数位、などなっている。
 かわりに入っているのは、大きな政党を持つ、とある宗教団体のトップの書籍だった。
 ……「東販・日販では、ベストセラーを故意に操作している」
 その事実を、会員さんはそのとき初めて知った。
 問屋の発表するベストセラーというのは、何にも増して大きな宣伝になる。
 それを操作するのは、人びとに読ませる本を操作していることにほかならない。
 会員さんたちはそこではじめて、書籍というものがどういう流通経路を通り、誰が出版界を牛耳っているか、知ったのである。
 出版は、そのときは、総裁の書籍を「実売の売上げ一位」として、こちらも負けずに宣伝を打って本を売っていた記憶がある。
 総裁の本が安定して売れるまでは、こんな戦いがあったのだ。

 幸福の科学も、出版業に携わっている以上、「問屋」が敵だとは、口が裂けても言えない。
 だが、初期の幸福の科学にとって、かなりの強敵だったのは、この「出版界の問屋」制度そのものではなかったかと、管理人は今でも思っている。

 さて、この出版のシステムだが、TPP、あるいは他の外圧によって「開国」がなされたらどうなるか。
 おそらくは、真っ先にこの「書籍の再販制度」と、それを護持する問屋が、大打撃をうけるに違いないのである。
すでに、Amazonの台頭と、電子書籍の出現で、その制度はかなりゆさぶられているのだ。

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