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映画「仏陀再誕」の周辺(2)……声優さんたちが幸福の科学の映画に出る理由

 アニメ映画「仏陀再誕」に関して、祭りに参加中です。アニメの声優さんの話を前回書いたら、意外なニーズがあるようなので、もう少し続けます。
 すみませんが、宗教や実現党関係の記事を求めてお越し下さる方は、映画ネタの合間合間にはさめていきますので、「最新の記事」もしくは「カレンダー」等からご覧になって下さい。

 さて、どうやら、映画仏陀再誕について、アニメファンが気になって仕方がないことがあるらしい。
 それは、
 「自分のファンの声優さんは、幸福の科学の信者なのか」
 ということである。
 ということで、あらためて声優陣を見てみると……。

 子安武人さん、小清水さんのほかに、超有名どころとして、

白石涼子さん / 三石琴乃さん
銀河万丈さん / 千葉繁さん
島本須美さん / 雪野五月さん

 ……やっぱり凄すぎる。

 念のため申し上げておくが、もちろん全員信者ではない。

 となると、アニメファンの次なる心配は

 「信者でないのになんで有名どころがでているのだ」
 「洗脳されたんじゃないのか」

 ということらしい。
 これに関しての答えであるが。
 当方、十数年間、幸福の科学の映画のメイキングについて情報を聞く限り、単純に幸福の科学の映画は「良い仕事」だからではないかと思う。

 なにせこの不況に、三年に一回の文化祭とて、必ず長編アニメ映画を作っていて、信者さんたちが見に行くのでだいたい入りも安定している。
 幸福の科学のこの事業は、映画業界もアニメ業界も有難い、よいお得意様なのではなかろうか。

 内容はといえば、根っから宗教アニメで、海外の信者さんに教義の説明用に見せたりするための意味をも持っているので、「良観さん」とか「一休さん」とか「まんが 蓮如さま」とか、まあ、他の宗教団体が協賛で作っているような、ああいう系列の作品を見る感じに近い。
 奇抜なおもしろみはないが、羽目を外さぬ優等生な内容なのである。
 ただ、ほかの宗教団体が教祖がらみの歴史ネタになるのに関して、こちらは霊界描写とかタイムトラベルとか、どちらかと言えば新しめのネタで固められている、という感じか。

 この点については、以前、ジャーナリストの鳥越さんが「幸福の科学は外側の装いが新しいが、中身のアンコの部分はとても昔ながらのことを言っている」といっていた通り。

 映画もそっくりそんな感じである。
 目新しいものはないのだが、勧善懲悪で、大昔、子供の頃に小学校で見たような道徳映画といったところ。
 十余年前、第一回目のアニメ作品の「ヘルメス-愛は風の如く」は、1997年度の毎日映画コンクール・日本映画ファン大賞で2位だった。(1位はもののけ姫)
「中央青少年団体連絡協議会」「優秀映画鑑賞」推薦ももらっている。

 というわけで、子安武人さんのように、若い声優さん達があこがれるような人が十数年、毎回普通に出て主役を張っているし、最初のほうの映画には、野沢那智さんや井上喜久子さんも出ていた。

 (小生じつはこのお二人の声が聞くのが映画の最大の楽しみだった。「なっちゃこパック」のパーソナリティだった野沢那智さんの悪役声なんかもう、ほんっとーに客席で拍手したくなるぐらい懐かしくてかつ楽しかった)

 そうした先達のベテラン声優さん達が仕事を受けて下さったというのは、業界での映画の一つの信用になっているのではないか。
 この点、信者さんは、こうした声優さんに対してもっともっと感謝していい。
 みなさん、仕事を断ろうと思えば断れたのだから。ありがたいかぎりであろう。

 さて、今回の映画では、どんなベテラン声優さん方が出ておられるかというと……。

 まず、銀河万丈さんは子安さん同様、幸福の科学映画の定番声優さんである。それにくわえて、なんと、千葉繁さんに島本須美さんまで出るらしい。

 千葉繁さんは、日蓮宗のS学会信者として有名だと思うのだが、信仰には関係なく、うる星やつらの「メガネ」役以来、ガンダム世代としては名優としてなじみ深い。
 奇声やアドリブがすさまじいお人で、なんとこの人に渡されたアフレコ台本の台詞の部分に、「千葉さんお願いします」の一言しか書いていなかったという伝説的逸話が懐かしく思い出される。

 ミラーマンのスタントなどやっていたというが、なぜか彼の人の姿は、小生には押井監督の実写「赤い眼鏡」よりも、実写「トーキング・ヘッド」での、半纏を着た演出家役の姿がインパクトがあり、以来、声を聞く度に、すぐあの半纏姿を思い出す。
 あの頃から年をとっておられないような気がしてしまうのだが、あれからもう十数年になるのか。
 最近は、小生が拙宅のチビすけたちと見ていたNHK「おかあさんといっしょ」の「ぐ~チョコランタン」で、健在のお声を聞いていたが、この春に番組が終わってからは、お声を聞いておらず、もの淋しいような気がしていた。
 うわあ。
 小生、今回の仏陀再誕は若向けの映画だと言うから遠慮しようと思って、試写会のお誘いも他の人に席をゆずってしまったが、いま、声優さんの中に千葉さんの名前を見ると、もはやむらむらと劇場に行きたくなっている自分が居るぞ。

 さらに、島本須美さん(山田先生役)まで出るという。

 こちらはもう説明の必要もない元祖エンジェルボイス、初期宮崎アニメのヒロインである。
 ルパン三世のクラリスにナウシカ、小公女セーラに、めぞん一刻の管理人さんを演じた、儚げなヒロインの声の代表格。
 とにもかくにも宮崎アニメの人というイメージが強かったのだが、その宮崎アニメが、専業声優を使わない方針を固めたため、ジプリでは「もののけ姫」が最後であったはずだ。ううむ、ジプリは惜しい人をなくしたと思う。

 最近で言うとアンパンマンにでてくる「しょくぱんまん」のイメージがあるが、どっこい大人の声もまだまだ見事である。

 なんとなれば、少し前になるが、「らき☆すた」という、オタク少女が主人公の日常生活アニメが一斉を風靡したことがあった。
 (舞台となった鷲宮神社には連日参拝客が後をたたず、イベント時には3000人を超す参拝客が訪れ、町はアニメで町おこしをしたということでニュースになった) 
 そこに、一話だけ、主人公の亡くなったお母さん役で出ていたのだが、この評価がまた高かった。
 この作品は全編通じてコメディーで、かつアニメのパロディーやアニメのオタクネタがぎっしりつまったマニアックな作品なのだが、島本さんの出た回だけは雰囲気が異なっていた。
 最初、番組の中で声を聞いたときには、「えっ、これ、本物の島本さんだよね!? こんなマニアックなコメディーに出るの!?」とびっくりしたが、役どころは、成長する娘を見ることなく死んだお母さんの役で、お父さんの回想に出てくる若い頃のシーンはもちろん、死後も霊となって、娘や夫のそばに時折そっと訪れて、彼らが知らぬまま、声も届かぬままに、家族を見守りつづけている若い姿のままのお母さんの霊の、あたたかく優しい声にぴったりだった。
 その回は、若い視聴者たちはもちろんのこと、視聴した外国人ジャーナリストまでが泣いてしまったという話まであったほどだ。まだまだ健在である。だが、残念なことに、そのあたりが大人の女性の役をやったのを聞いた最後だった。
 であるから、今回、劇場に行けば大人の女性役を演じる島本さんの声が聞けるとなるとかなり嬉しい。

 なんというか、こういう懐かしいベテラン声優さんをも毎回集めて、三年に一回アニメ映画をつくってくれるのは、それだけで価値があるという感じがする。

 繰り返すが、こういう映画のつくりは、幸福の科学という団体の個性とも関係がある。
 映画を作るにも、この十数年、内容的には地味であるが、普通に作ってきちんと正統派の声優さんを起用した映画を作り続けている。
 いかにも生真面目な幸福の科学らしい。
 まあ、これは映画についてだけでなく一事が万事で、見ているとなにごとにつけても幸福の科学のスタイルは正統派の伝統宗教のほうに近いのだ。
 その結果、ベテランの声優さんから旬の声優さんまで、安心して仕事を受けてくださっているのではないか、というのが小生の考察である。

 というわけで、
 「行きてえんだけど……カルトじゃないか」
 「見終わったら洗脳されんじゃねえの」
 とおびえているアニメファンの諸氏は、お誘い合わせの上、話のタネに安心して見に行ってよいと思いますぞ、というお話でした。

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