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映画「仏陀再誕」の周辺(1)……登場する声優さんと、最近のアニメ事情

さて、幸福の科学にとって、三年に一度の定番となった映画公開が迫ってきた。

 今回で六作目となる。

 今回の映画は特に若い人向けだということなので、今更「ガンダム世代」の小生がああだこうだ論じることもないと思い、公開が終わるまでは触れないでいようと思っていたのですが……伴侶 (←もはや当ブログの編集者) から強く強く要請されてしまいまして、「枯れ木も山の賑わい」とて、祭りに参加させていただきます。

 そもそも、幸福の科学の映画というのは、毎回毎回、声優さんもきちんとした人を使ってストーリーも破綻せず、一作ごとに完成度が上がっている。特に奇抜な洗脳映画というわけでもなく、ふつうの道徳的なアニメ映画、といった感じである。
 一作目の『ヘルメス-愛は風の如く』は、今は亡き雑誌「ファンロード」でも小さな囲みで取り上げられていたし、一般のアニメファンが出向いたからとて強引に信者にされるということもない。
 三年に一度の文化祭というか、まあ、お祭りである。

 しかし、今回は特に注目度が高いらしい。
 なぜかと考えるに

 ・選挙で注目度が上がり、信頼度も上がった
 ・今年から上映劇場数が爆発的に増えた
 ・なにより、いま「旬」な、若手実力派の声優さんたちが数名入っている

 ……等々の影響らしい。

 最後の一点は特に大きい。

 会員さんたちからすると、「え? 声優さんってそんなに影響力あるの?」という人が多いようだが、面子を見ると、幸福の科学映画の救世主役では定番の子安武人さんをはじめ、小清水亜美さん、雪野五月さん、三石琴乃さん、白石涼子さん、等々。(まだまだほかにも大勢有名どころがおられる)
 彼ら、彼女らは、それぞれ「あ、この人が出るなら見に行かなきゃ」というファンを大量にかかえた声優さんたちなのである。

 とはいっても、救世主役で定番の子安武人さんはともかく、女性の声優さんについては、会員さんには知らない人も多いらしい。

 いや、それどころか、最近のアニメはどんなものがあるのかも、ご存じない会員さんも多いのではないか。

 うっかり劇場に来たアニメファンと、話す機会があったときにあまりにずれた応対をするのもつまらない。
 ……というわけで、ここは不真面目な小生が一肌脱いで、あまりアニメや声優さん関係に詳しくない会員さんのために、最近の日本のアニメの内容や、登場する声優さんの役歴など、私的ガイドをつけておくことにしたらどうか……と伴侶に言われました。

 というわけで、以下しばらく、仏の教えと関係なさげなお話が続きます。
 ご参考にどうぞ。

 ……まず、天河小夜子役の小清水亜美さんは、デビュー七年目の超実力派である。

 このひとのデビューは、明日のナージャという子供向けのアニメのようだったが、どちらかというと、デビューの年に演じた、GUNSLINGER GIRL(ガンスリンガー・ガール)というテレビシリーズの一期での好演が記憶に残る。

 この物語は、ヨーロッパを舞台にしたガンアクションものである。
 内紛が続き暴力の巷となった架空の現代イタリア。政府は、秘密裏に、重傷を負ったり犯罪に巻き込まれたり生まれながらの身障者であったりして、親に死なれたり見放された不幸な境遇の幼い少女たちを引き取り、超人的な肉体を与えるかわりに「条件付け」と呼ばれる洗脳を施し、凄腕の暗殺少女部隊をつくりあげた。
 少女たちは、過去の記憶を失い、感情を抑制され銃を持って戦う運命を背負わされながら、自分の担当官である大人たちを慕って自らの危険を顧みることもなく命がけで守り、残り少ない短い寿命を生きてゆく、という切ない話だ。

 その物語の中で、デビューしたての小清水さんの演じたのは、読書を趣味とする知的で物静かな暗殺者の少女。クールな少女の声が耳に心地よかったことを覚えている。

 このひと、きっと安定して伸びていくだろうなあと思っていたら、案の定めきめき頭角をあらわし、SFロボットアニメ「交響詩篇エウレカセブン」では、戦闘時に大量の薬物を投与されてキレてしまうが内面には複雑な感情も抱えているというアネモネという女性役で、鮮やかな声の芝居を聞かせてくれたし、同時期のSFアニメ「舞-乙HiME(まいおとめ)」では、移民惑星エアルの少女 ニナ・ウォン役で、真面目な努力家を演じ、「あ、もうこのひと、すごく幅広い芝居ができるんだな」と感心させられた。

 さらに昨年の話題作「コードギアス 反逆のルルーシュ」 (SFロボットアニメだが、世界大戦を描いていて面白く、物語の先が全く読めなかったため、かなり広い年齢層が見ていたはずである。ふだんアニメを見ない伴侶もこれだけは見ていた。) では、紅月(こうづき)カレンという女性エースパイロットを演じたのだが、この評価がとても高かった。

 なにしろ、最終回の最後で、彼女の演じたカレンが、死亡した主人公に語りかける形で後日談に入るシーンがあったのだが、その際に、「さりげなく明るく語っているようでありながら、ほんのわずかに声が震えていて、じつは涙を隠して語っているのではないか」、というふうに聞こえる芝居を、声だけでやってのけた、と評判になっていた。かなり繊細で凝った芝居ではないかと思う。
 この役によって、新設された声優の賞を受賞したようである。

 以来、ここ二、三年ぐらいは、それはもうあちこちでこの人の声を聞くなあと思っていたが、今期(2009年夏)のアニメでの活躍も芳しい。
 かなりの量のアニメに出演しているはずだが、特に人気があった出演アニメはというと、
 この夏、一番人気だったであろう女子校の麻雀アニメ「咲-Saki-」では、美少女でお嬢様の天才麻雀打ちの女子高生役を、気位の高さやはかなさも含めてよく演じていた。
 もう一つ、忘れてはならないのが「狼と香辛料 第二期 」というアニメのヒロイン、少女の姿をした狼神ホロの役。
 「わっち」「ありんす」という郭言葉を使い、「オスは阿呆じゃのう」と、主人公を手玉にとりながらも、もろく愛らしい面を持つ、数百年を生きた少女の狼の魅力を表現してのけた。
 どちらも作品自体が大変人気の高いアニメとなり、実力もさることながら、そういう役を引き寄せてくるこの人の運の強さを思わずにはいられない。
 よい人がヒロイン役を受けてくれたと思う。

 ……ちなみに、上記した、この夏人気だった二本のアニメの内容についても書いておきます。

 「咲-Saki-」というのは、麻雀が野球並みにポピュラーになった近未来のお話。
 長野の女子高生達たちの麻雀部での地区予選大会の団体戦を描いた熱血スポーツ系アニメ。
 前評判では話題にならなかったが、放送されるやあれよあれよと人気が出て、あっという間にファンが増えた。麻雀を全く知らずに見ていたが面白かった。
 というか、知っている人ほど現実離れしすぎていて見ていられないようである。
 ただし現実離れしているのは少女たちの能力の部分であり、ゲームそのものは、原作からして一局ずつの牌符や、卓上の牌の「河」などが、大変きっちりと書き込まれてあり、驚くほどしっかりした作りになっているそうである。
 ちょっとお色気カットが鼻についたが、それをさし引いても、ほとんど超能力に近い才能のぶつかり合う麻雀バトルでの特殊効果・演出や、各高校の少女同士の固い友情の絆が愛らしくも熱い物語を織りなしていて、決勝戦終了まで、あまりの突拍子のなさを笑いながらも結構楽しんで見ることができた。

 また、もう一作の「狼と香辛料」。
 これがまた凄い。
 原作が「電撃小説大賞」という若い人向けのライトノベルの銀賞受賞作でありながら、なんと、読売新聞朝刊の書評にて、「面白い上に初歩的な経済が学べる」と絶賛された一冊。
 もちろん若年層にも人気のシリーズである。
 お話はと言うと、中世を舞台に、狼の化身である少女と旅をすることになった、青年行商人の道中を描く「剣も魔法もない」ファンタジー物語。
 二人のラブコメ的な心の交流や、洒脱なやりとりもさることながら、巻を追うごとに中世の経済の話が頻繁に出てきて、若い方には不満のようだが、小生は面白く読んでいる。
 アニメ化と聞いて、こんな面倒な経済活動を描いた小説をエンターテイメントにするには難しかろうと思いきや、とんでもなかった。
 放映されたアニメの、中世ヨーロッパの石造りの町や春夏秋冬の大自然を描く美術と音楽の美しさは、目に優しく、年寄りが洋酒を舐めながら楽しんでも何らおかしくない出来。
 商業組合や露店、毛皮や武具の相場を戦いの舞台として生きる男たちや女たちの姿をわかりやすく示したシナリオも楽しかった。
 この夏放映された二期は、後半失速してラストシーンもいまひとつの声があったが、前半のクライマックスでは、石屋の前での男達の石の相場の売りと買いの息詰まる攻防はすさまじく、主人公の青年商人の運命やいかに、と、固唾をのんだ視聴者も多かったことだろう。
 また、作品の世界観を凝縮したような二期のオープニング映像と主題歌は、この夏アニメの中でも抜きんでたできばえだったと思う。
 最近、アニメの中でも、エンジェルボイスのような柔らかな女性の声で、現代離れしたような不思議な印象の歌が流れるのを耳にするのだが、変に激しい先鋭的なサウンドよりも、かえってこういうものが新しいと感じてしまうが、これは好みの問題かも知れない。

 ……それにしても、こうしてアニメの紹介をしていると、ことさらにジプリがどうのと騒がずとも、質の良いテレビアニメが普段から日本にはゴロゴロしているのだなあとしみじみ思う。
 日本の文化は本当に高いのだ。
 さて、「仏陀再誕」は、こうした目の肥えたアニメファン達にどこまでアピールすることができるだろうか。

 ……なんだか今回は、幸福の科学や幸福実現党とは無縁な話になってしまいましたが、もう少し続けよと伴侶が申しますので、次回もほかの声優さん達とアニメ作品の紹介をする予定です。
 

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