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小生の考察 日本人の解けない洗脳(3) 無神論国家のしてきたこと

 ところが、日本では、「宗教=悪」という「大人への教育」が、現在でも頻繁に行われている。

 実は、日本の新興宗教の開祖たちにもマザーテレサクラスの人々がでているのである
 小生の知る限りでは少なくとも三人いる。

 一人は、「キリスト教以外絶対認められない」、という、かのローマ法王を「世界宗教者会議」のテーブルにつかせた、仏教系「立正佼成会」の、庭野日敬 開祖。 

 もう一人は、マーフィーの自己実現思想の流入よりはるか以前に、「光明思想」という名で自己実現の思想を次々送り出し、トラインやエマソンを翻訳もし、自らも大量の書籍を書き、信者たちを多数成功させた 神道系「生長の家」の、創始者、谷口雅春。

 もう一人、ちと古いが、ダントツでキリスト教無教会派 創始者の内村鑑三氏。 
 この方については、マザーテレサクラス、ではなくて、マザーテレサを大量に生み出した、偉大な先生、といったぐらいの実績といえる。
 それほどの高みのある言論と活動であった。
 戦前・戦中・戦後、日本の名だたるキリスト教系の偉業をなした方々は、この人の弟子、あるいは感化を受けていると思われる。
 たとえば、新渡戸稲造や、東大学長矢内原忠雄、身近なところで百歳の高校教師、桝本うめ子先生、など、とにかくすさまじい教育感化力であった。吉田松陰にタイプが似ているように思う。

 どの方々も故人であるが、実にあっぱれな仕事ぶりであり、人格的にも感銘を受ける話がいくつも聞かれた。
 日本の誇りである。
 だが、多くの日本人は彼らの名を全く知らない。
 彼らの仕事は全く知らされることがない。

 それどころか、宗教がいかに悪いことしかしていないか、を、実に巧みな映像表現や文学表現で訴えるのである。

 先日、教育テレビの六時台のこどもニュースで、中東の情勢が「子供にもわかりやすく」解説されていた。まあ、戦争と、その原因の宗派の違いについてだ。

 それを見ていたわが実母は、こうつぶやいた。
 「結局、宗教なんて無ければいいんだわねえ」
 小生の伴侶が間髪入れずに答えた。

 「お義母さん、宗教のない国って言うと、北朝鮮とソ連と中国ですよ!」

  実母、一本取られた照れ笑い。
  NHKの洗脳が不首尾に終わった面白い瞬間であった。
  いやしかし、昭和ヒトケタ、お国のために幼少時生きた実母に、そういうことを言わせるとは。おそるべきマス
コミの喧伝である。

 確かに、少年漫画など見ても、もはや宗教は笑いもの、悪者の定番であろう。

 だがねそもそも、ちょっと落ち着いて考えればわかることであるが、宗教に関わりなく、人は戦争を起こし、宗教に関係なく、おかしな理論を信じ、宗教でなくても、だまされて金をまきあげられたりする。

 むしろ、それらをいさめるのが聖職者の仕事であったはずだ。

 実際、宗教がなくなればよくなるかというと、 「宗教の諍いのない地上の楽園」がやってきたことと言えば、スターリンの大粛正からはじまって、ポルポト政権のガイコツの山とか、天安門大虐殺とか、ロケットを飛ばしておいて得意になっている間に大量の国民餓死させる国とか、チベット侵攻の一大悲劇とか、法輪功という宗教団体の大弾圧。

 宗教の無い国々は、残念ながら、なんのためらいもなく派手に大虐殺をしてきた。
 これは、まことに始末が悪い史実である。

 戦争が起きたときに、たとえば、敵国が宗教を持っているなら「あなたの教義に帰依します、だから殺さないで」といえば、助かる確率は高そうだ。
 だが、中国兵やスターリンにその理屈は通じない。彼らは笑いながら敵国民をもてあそび、殺すだろう。
 その国は、日本にいま、手を伸ばしているのである。

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