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実現党結党……募る不安

 講義が終わる。
 総裁の姿が、画面から消える。
 とたんに、夢のような政策によってもたらされた、高揚感のようなものが消えて、現実が姿を現した。
 その政策を現実のものとするには、戦って勝たねばならないのだ。
小生、隣に座る伴侶をみた。
 我が伴侶、かなり深刻な顔でいる。
 小生も正直、あらためて、真っ青になる気がする。

 ……勝てるのか。無理、なんじゃないのか。

 不安の原因は、その一言につきる。

 小生も伴侶も、親戚が選挙で大騒ぎしているのを幾度もみている。
選挙は、素人にはできない。
 選挙は、参加すれば本当に家族の平和な暮らしを破壊。
 選挙は、魔物なのである。
 そう簡単に勝てぬ。
 そして負ければ、場合によっては破滅に近いことをいやというほど痛感している。

 冷静に、講義を思い返す。
 語りは全き正論。
 そして、公約は最高である。
 こんな最高な公約を掲げている党は無い。
 おそらく、マニフェストは日本どころか、世界最高のものになるだろう。

 だが、知名度、実績、すべて未知数。
 あげく宗教団体という強烈なマイナスイメージ。
 確かにこの団体は、政治に深く食い込んでいる。
 マスコミは一切口外しないが、総裁の影響力は政界に対してすさまじい。日本のみならず、アメリカやオーストラリアまでが、実は総裁の発言と戦略に、一部、動かされているのである。
 だが、それは、逆に言えば、会員の大多数が、民主や自民の議員たち、ならびに、その選挙活動を手伝う人たちなのだ。
 彼らが、すべてを捨てて、信仰をとるだろうか。
 おそらく、それはあるまい。

 ならば、浮動票の行方である。
 世間は、これをどう評価するだろうか。

 ……この団体は、言っていることはすべて正しいことばかりだ。二十年、ハスに眺めてきた小生からみて、実に真っ当だ。真っ当すぎてつまらないことが非難の対象になるぐらいだ。

 しかし、この正論を、いったい日本人はうけとめることができるのだろうか。

 小生の同級生に東大の卒業生がいる。
 その人物は、二十年ほど前、団体の初期に、幸福の科学の雑誌を取る「誌友会員」というものに入っていた。(ちなみに、いま、幸福の科学は会費など一円も取らないが、そのころは、会費があって、年間数千円を取られていたのである)
 人から進められたのがきっかけだったらしいが、勧められた人にもそのことを告げず、ひっそりと入っていたわけだから、付き合いなどではない。自分で良いと思って雑誌を取っていたのだ。
 意外な行動だったので、これにはかなり驚いた。
 だが、その人物は、一時期を境に「誌友会員」を辞めてしまった。
 理由を訪ねたら、

 「どれほど素晴らしく正しいことに満ちあふれた言説でも、これを世の中の人々が認めるかどうかは別問題だ。そして、認められなければ全くその言説には意味がないのだ」

 というようなことを言った。
 変なことを言うやつだなとおもっていたが、あのときの友人の気持ちが、今私にもわかる。

 なぜならば、日本人は堅く堅く、一つの呪い、一つの洗脳にかかっていて、その状態が当然だと数十年思ってきたからである。(その呪いについては当ブログ「幸福の科学史  日本人の解けない洗脳」で記す予定)

だが、同時に、大川総裁という御仁は

 「負ける戦は絶対しない」

 こんな喧嘩上手な御仁を、小生はみたことがない。
 また、幹部や信者がカルトっぽくなっていても、総裁ご自身は絶対にカルトなものの見方はしない。それがこの団体の安寧につながっている。
 ということは、何か勝機がある、ということだ。
 いったいどうするのだ。どうすれば勝てるのだ。

 これで勝てたら、奇跡以外のなにものでもない。

 周囲がざわざわと立ち上がっても、小生、沈み込んだように椅子から立てず、しばらく沈思を重ねていた。

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