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「幸福実現党宣言」を聞く(1) 衝撃の結党宣言

 支部の大きなスクリーンの中の演壇に、黒いスーツで大川総裁が登場した。
 ここで、「おっ」、と思うのが通である。
 なんとなれば、漆黒のスーツの大川総裁は、重々しい決意と共に、何かショッキングなことを法話の中で発表することがある。

 通常、黒いスーツは節目としての決意の表れの礼服、ととるのが普通なのだろう。
 しかし、この団体の総裁の場合、その発表は、
 「この国には、これから、これこれこのような難事が始まるでしょう。ですから、それを止めるために、私はこれから、茨の道に入ります」と言う宣言が多い。
 小生など、総裁の黒いスーツを見る度に、総裁ご自身で「不惜身命、命は捨てた!」とばかりに、あたかもご自身を弔う喪服の意味にも見えるほどである。

 ともかく、熱心な信仰者である我が伴侶について歩いて二十年、幸福の科学という団体を一歩離れてややハスに見続けたやじうまの小生。

 ゴールデンウイークも終わりの一日。総裁の緊急の講義ありとて、伴侶と二人、連休でなまった体をぶらぶら支部へ向かわせてなんとなく席に着いていたところ、このスーツに異様な雰囲気を感じ、
 「こりゃ何か来るぞ、今度は何だ何だ」と、身を乗り出して聞いていたが……

 なんと、驚くことに、
 ものすごく音が悪い。

 ……まったくもう、十年以上衛星中継していて、どうしてこんな音声が悪い回があるのか、是非誰か小生に説明してくれ。
 これだけ聞きづらい中継もはじめてだぞ、と、顔をしかめて耳をそばだてているところへ……

総裁「幸福実現党、というものを考えています」

 実現党って……政治の党、だよな?
 ……。
 ……。
 ……おーい、音声担当の人。
 衛星中継、音が悪いどころか、話の内容まで電波受信の際に違っちゃってるんじゃないか。
 ……それぐらいありえないことが、いま、総裁の口から聞こえているのだが。

 呑気にも間抜けなつっこみを頭の中で叫ぶ小生の周囲で、満座の雰囲気が一瞬にして変わる。

 幸福の科学、一世一代の戦端が、幕を開けた瞬間であった。

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