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映画「ドラゴンハート」感想(2)「ダンテ『神曲』のアニメ化というのが言い過ぎならば……」
- 2025-06-07 (土)
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今回の作品を見終わったとき、真っ先に感じたのは
『これ、「ダンテ『神曲』(ギュスターヴ・ドレ挿絵版)のアニメ化、ただし幸福の科学解釈」ですよね』ということでした。
(あくまで個人の感想です。)
ダンテの神曲は説明の必要がないと思うのですが、一行で要約すると、
「ダンテが地獄に行って煉獄に行って天国に行きました」
という内容です。(我ながらひどすぎる略し方)
その『神曲』の、ギュスターヴ・ドレ版です。
どの辺がギュスターヴ・ドレかっていうと、ズバリ2カ所で、
「地獄のコキュートスぽいところを亡者を抱えた羽のある番人が飛ぶところ」
「天上界をみあげたときの画面いっぱいの光輪の輪」です。
いやほんと、ここは、「ドレの挿絵を動かすとこんな感じか!」と素直に感心しました。
……ところで、こんな書き方をすると、
「大げさだなぁ。ダンテだとか神曲とか言う前に、これ、丹波哲郎さんの『大霊界』だろ」
というお言葉が聞こえてきそうです。
そうですね。
ですが、そもそも丹波さんの「大霊界」って、ダンテの神曲をすっごく俗にしたものだと思うんですよ。(そういえば、映されているシーンも、天国の映像よりも、あき竹城さんたちが地獄の酒盛りしてるシーンのほうが楽しそうだと言われてました(^_^;))
そして、霊界のスケールとか法則性とかを考えると、やはりダンテの神曲と比較したくなるのですよねぇ。
ただ、言うまでもないことなんですけど、『神曲』との違いは霊界観ですよね。
ダンテの神曲、キリスト教の死後の世界は地獄と煉獄と天国ですよね。これは大川総裁も講義されてたと思うんですけど、「キリスト教では最初天国と地獄しかなかったところに、あとから煉獄を作った」みたいなお話だったかと。
それに対し、幸福の科学の教義では
「地獄」は「赤点とっちゃった魂がそれぞれ補習受けてるとこにすぎないから。終われば出られるから」みたいな場所とされているわけです。幸福の科学では、地獄は煉獄と同義語に近い。
もう一つの違いとして、「ダンテの神曲は地獄編が面白い」といいますが、この映画は地獄よりも天国が魅力的に描けているところだと思います。
もちろん地獄パート、よくできてます。ありがちと言えばありがちな地獄の話ですけど、見せ方が上手い。
でも、その地獄の話よりもなによりも、天国のシーンが美しい。
神曲と違って、多くの人に、刺激的な地獄より静謐な天国のシーンを見ていたいという気持ちにさせる。それがもう一つの違いで、それはおそらく日本のアニメ技術のなしえた高みだろうと思うのです。
特に天界の戴冠式。
この映画で描かれている最高位の天界の表現。
白です。余計なものは一切描かれていない。
「サマーウォーズ」の電脳空間を彷彿とさせるような空間。
……お見事です。
前作の「エローヒム」の映画でも、静謐な世界を表すシーンをとても上手く描いてくださったと思っていたのですが、今回はさらに見事な映像。
この映画でもっとも見せたかったものはこの「天国の戴冠式」だったんじゃないか、と思えてきます。
……そして、映画館で、画面だけじゃなく、客席の人たちの反応をリアルタイムで見ながら感じたことがあるんですよ。
映画館は結構年配の方も多かったです。年配の信者さんたちです。みなさん、自分たちは、もう少ししたらそちらの住人になると、わかっておられる。
その方たちが戴冠式のシーンで、静かに画面を見つめている。
その方々を見ながら、理解しました。
ああ、みなさん、いま、先生に逢っているんだ、と。
そして思いました。
大川総裁という方は用意周到な方です。この映画がかかるとき、自分が不在であるという可能性をも考えておられたことは想像に難くない。その上で、残された信者さんのためにこの映画の制作を始めて行かれたのかもしれない。
大川総裁は、自分が去った後に、あの最後の天国の戴冠式のシーンで、信者さんを「神様」に逢わせてあげたかったんじゃないか。
これはそのための映画だったんじゃないか。
宗教的な空間を劇場に作り出すことが、幸福の科学が映画制作で目指したことであるならば、今回の映画はこれまでになくその使命を果たした映画ではないか、と思うのです。
いや、ほんとにいい宗教映画でした。世界に出して恥ずかしくないと思います。
冒頭からずっと続くシナリオのなめらかさ。
ジブリ作品・新海さん作品のオマージュであろう鮮やかな自然描写・背景美術。
そしてチバシゲさんの声!!(個人的に一番大きい要素の一つでした。前情報なしで行ったので座席から立ち上がるところでした)
スタッフのみなさん、お見事でした。ありがとう。
全体の感想としてはそんなところなんですけど、細かいとこに関しては、「まだ読んでやるから書け!」というリクエストがあって、さらに小生の時間と体力に余裕があるようでしたら続きを書かせていただきます。その場合はさらにぶっちゃけて偏った内容になる予定です。
では。
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