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2011-10

真なる「悼む人」は誰か(1)

 タイの洪水、中国のパンダ、韓国に対する無条件降伏したみたいな文化財の返還と多額のスワップの約束、TPPの議論、カダフィ、橋下知事の辞任(←独裁で検索すると、カダフィと橋下さんが並んで出てくるのにちょっと笑えてしまう。しかし、大阪府知事で、大阪府の議会の過半数を掌握していて、なおかつ何もできないというのは、いささか手腕が疑問に思われるのだが、それも、彼が目の敵にする「制度」のせいなのだろうか)

 さまざまなニュースが目白押しの一週間だったが、この数日、東日本大震災で身内を亡くした人びとは、怒りで目が眩みそうになったに違いない。
 なにしろ、復興担当大臣が、この震災に関して最大級の暴言を笑いながらぶち上げた。
【「逃げなかったバカなやついる」 東日本大震災の津波避難で平野担当相 】
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111018/plc11101818370015-n1.htm

 「逃げなかったバカ」。
 すぐにネットで、このときの画像と、彼の言葉の全体が出回った。
 それを見ると、信じられないようなこの単語を、平野議員は、なんと、本当に愉快そうに、心底の笑顔で言ったのである。
 
 日経によると、その直後に謝罪したというのだが、その内容たるや、
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E3EAE2E19B8DE3EAE3E2E0E2E3E38297EAE2E2E2
より、
「なぜ逃げなかったという思いがずっとあった。
不快な思いをした人がいたら心からおわびする」
 というものだった。
 なんとまあ、「不快な思いをした人がどこかにいたら」お詫びする、という、まことに民主党らしい、「悪かったな!」という態度に思われる。

 即座に、被災者の怒りの声が上げられた。

【怒りの被災者「母はバカだから死んだのか」】
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111018/dst11101820510011-n1.htm
 記事より、
>「おふくろは足腰が悪くて逃げたくても逃げられなかった。バカだから死んだの?
>大臣、議員として以前に人としてありえない。辞職どころではすまされない」
>宮城県南三陸町の無職、三浦達也さん(43)は声を荒らげた。
>津波当日、母親は自宅2階にいた。「足腰が悪いから、外に逃げるより2階にいた方が安全だと思った」。
>しかし、母親は津波で家ごと流されて亡くなった。「なんで連れて逃げなかったの」。母親の友人に責められたこともあった。
>「今も悩んでつらい。あの時を知らないやつに何も言われたくない。みんな必死だった」と三浦さんは話す。
 ほか、数名の識者による批判が以下。
【平野復興相発言】「全くの論外」「出処進退、潔く」
2011.10.18 21:26
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111018/plc11101821280020-n1.htm

 しかし、平野復興相に関しては、辞任の「じ」の字も出てこない。
 それどころか、今回、絶句したのは、マスコミがとった態度だった。

 なんと、全マスコミが、沈黙どころか、総力を挙げて庇い、返す刀で、唯一、この暴言を正当に報道した産経を叩いたのである。

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