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2011-10

TPPと大川総裁の「予言」(1)

 大川総裁の書籍の読者であれば、総裁の語った内容が、10年後、20年後に実現化して、「ああ、あれがついにきたか!」とはっとすることがあるが、最近、日本の紙面を賑わわせているこのニュースもその一つではないだろうか。

【TPP交渉参加問題 政府が工程表を作成 11月に「参加を表明する」と明記】
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00209554.html
 TPP(ティーピーピー)……環太平洋経済連携協定。
 要するに、
 「アメリカを盟主とした(←明記されていないがそういうことだろうと思われる)、環太平洋の経済圏を作ろうじゃないか。
 加盟した国の間では、関税もとりはらって、サービスの基準も共通化して、みんなで自由な貿易をしようじゃないか」
 という内容である、と思われる。
 ……「思われる」、というのは、どういうわけだか、TPPの内容の詳細を和訳したものが一般の我々の目につくところに見当たらないのでよく分からないのだ。
 また、内容が手に入ったとしても、専門家でないと内容の条項の詳細を読みこなせない、という話も聞こえてくる。
 そのため、こればかりはニュースを主体に情報収集しなければならない現状が続いている。

 ところが、よくわからないのは一般の人びとだけではなく、政治家も同じだという。

 『党の部会で、TPP担当の平野副大臣が、「自分たちでさえTPPのことが、よく分からない。」と発言。出席者一同唖然とした。よく分からないことに日本の命運をかけないでくれ!!』(川内 博史twitterより)
 内閣の一員が「よくわからない」と言っているという。
 ……信じられない話だが、彼ら民主党が六十年代安保に青春を賭けたような人たちの集まりだと思うと納得できる。
 なにせ、「六十年代安保闘争の学生は、安保がどういうものか知らずにわいわい騒いで暴れていた」、というものだった。
 今回もそんな感じで、よくわからずになんとなくワッショイワッショイと騒いでいるらしい。
 その結果、結局誰もよく分からないものに、国が命運をかけて参加しようとしているのだ。

 また、「環太平洋」と銘打ってはいるが、wikiによれば、
 『加盟国のGDPをすべてあわせたうち、九割が日本と米国であることから、形を変えた日米のFTA(自由貿易協定)であると言われている。』
 とある。
 だったら素直に日米のFTAでよかろうと思うのだが、このあたりも事情がよく分からないままだ。「TPP」という新しい名称で、「日米などとは申しません。アジア全体でいたしましょう」みたいな、趣を変えた仕掛けを作れば、日本がのりやすいと考えたのだろうか?
 もしそうであるとするならば、少なくとも、日本のマスコミに対しては効果絶大だったと言えよう。
 なにしろ、朝日新聞の論調がいきなりこうである。
【TPP論議―大局的視点を忘れるな】
http://www.asahi.com/paper/editorial20111016.html#Edit2 『TPPへの参加は、経済連携戦略での遅れを取り戻す、またとない機会だ。野田首相に問われるのも、大きな戦略とリーダーシップである』

 ……おいおい。これ、あんたがたの嫌いな日米同盟を経済面から強くする、みたいな流れのはずなんだが、朝日がそれを支持するのか? と驚かされる。
 ほかのマスコミも大同小異の印象。
 ……こうもマスコミが諸手をあげて賛成しているのを見ると、
 「左翼に支配されたマスコミが賛成するというのはたいてい日本の国益を損なうことが多いので、これ、あぶないんじゃないか」という不安が強烈に込み上げてくる。
 なお、TPPを推す朝日の論調はこうだ。
 『日本がもたつく間も、世界は動いている。自動車や電機といった日本の主力産業でライバルとなった韓国が典型だ。
 欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)が7月に発効したのに続き、米国とのFTAも米議会が法案を可決し、来年早々の発効に近づいた。』(上記記事より)
 
 ……この記事を読むと、朝日新聞、なんだか、「心の祖国」と揶揄される韓国が、アメリカと自由貿易協定(FTA)を結び、「日本をおいぬいた!」ので、日本も「バスに乗り遅れるな」と煽っているように感じられる。
 (……ちなみに、「バスに乗り遅れるな」は、第二次世界大戦前にも流行った(もしくは朝日が流行らせた)言葉であり、当時、朝日新聞はヒットラー率いるドイツと同盟を結べと大キャンペーンを張っていた。
 先の大戦といいね先ほどの安保のことといい、いつの時代も、日本のマスコミは、昔から外国の動向が気になって気になってしょうがない(そのくせ国内では自国のニュースばかりを流し、国益に反したことばかり喧伝する)体質のようだ。)

 話を聞いていると、TPPとは、関税の件だけではなく、参加した国々が、ECのようになってしまうような感じにも受け取れる。ECがいま、どんな混乱状態にあるかは周知の通りだ。大川総裁がECのスタート時に「これはうまくいかない、参加しなかったイギリスは先見の明がある」と語っていたが、それが実現化した印象がある。

 これに対して、民主党の内部でも反対派が根強い。
【またぞろ噴出!民主“空中分解”危機…TPPで離党“恫喝”も 】
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20111024/plt1110241123001-n1.htm
 自民党は反対派が多いと思われるが、谷垣総裁などは協議の参加に前向きだ。
 共産、社民、国民新各党は交渉参加に反対。みんなの党は賛成。
 保守系のネット番組を流すチャンネル桜にゆくと、強烈な反対派の主張を映像で見ることができる。

 果たして、日本はどうなっていくのか。
 そして、それに関して大川総裁は、過去に何と「予言」していただろうか。
 次回、総裁の予言に入る前に、韓国のFATについてちょっと書いてみたい。

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