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2011-06

一年前「英雄」扱いされた菅首相が、被災地で罵声を浴びるまで

 前々回に引き続き、今回も政治の備忘録。
 政治ウォッチをしながら、「これまたなんともひどい二週間だったな」、と思った人は多いだろう。
 この二週間を、各種動画リンクつきで振り返ってみる。(直リンは新聞記事と動画サイトのみ、各ブログへはアドレスの記載のみにしてあります)

 まず、六月頭の菅首相の不信任決議案否決があり、その翌日の西田議員による、菅首相の各種疑惑への追求があった。
 西田議員の太刀筋は鋭く、みごとにこれで追い詰められたかに見えた菅首相だったが……

 なんと、首相は、翌日から、完全に居直り、辞めるつもりは毛頭ないことを明らかにした。
 いや、こんな恥知らずが総理にいた場合のことなど、誰も想定できなかったに違いない。
 こうなると、逆に与党は次の一歩が踏み込めなくなった。
 なにせ、首相に「解散総選挙」を実行されたら、今、民主党は壊滅するのを一番よく知っているのは、民主党幹部達なのだ。
 この局面はかなり腹立たしいことだったが、ここでまた菅首相に追い風が吹く。
 「反原発」ブームである。
 いや、正確には、マスコミが「脱原発」をブームにしようと、ほとんどマスヒステリア状態とでもいうべき報道を行ったのだ。
 連日のように、「脱原発」を錦の御旗のようにして、さらに、それが全日本人の願いであるかのように報道されたそのありさまは、

【自民・石原氏、反原発は「集団ヒステリー」】http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110615/stt11061508010002-n1.htm という言葉そのものであった。

 しかし、その馬脚はすぐに現れ始める。
 六月十日以降、テレビで流された「脱原発」のデモ。
 映像を見て、唖然とさせられたのは、反原発デモのはずなのに、電通などの「労組」や、「憲法九条を守れ」、それどころか、「三里塚」「全共闘」などという懐かしいのぼりが色とりどりにはためいて居て、デモ行進しているのが、かなりの高年齢の人たちだ、ということだっただった。
 (当日の画像と考察については、ブログ【脱原発デモ―美化しようとしてもバレてるよhttp://d.hatena.ne.jp/oguogu/20110612/1307866403】
 をご参照あれ。それにしても、「三里塚」って……「全共闘」って……「まだみなさん、生きておられたのかっ!」と心底驚愕した。小生の学生時代でさえ、もう絶滅寸前の危惧種みたいな存在だったぞ、あの人たちは)
 この画像により、「反原発」は、純粋な市民運動ではなく、左翼の人びとの最後の牙城としての旗印だったことが明らかになった。
 実際、反原発デモは、それら左翼の「伝統」「お家芸」とでも言うべき、マナー違反続出なしろもので、警察との取り決めは守らず、夜遅くまで酒を飲み音楽を流し、一般の参加者が乱暴されたという掲示板の書き込みや、傍若無人の限りを尽くしたデモの参加者が、帰路、電車に乗り込んでは「何でこの電車は冷房効かせてないんだ!!!!」と文句を怒鳴っていたという書き込みがネットの掲示板に流れた。(←最後の一言、いくらなんでもネタじゃないのか?と思っているのだが、「彼らならやりかねない」という疑いも捨てきれない)
 ほか、当日の様子に関する記事は、【どこも書かないのでドキュメント6・11新宿アルタ前その1:反「反原発派」の主張】(←東スポで恐縮です)
http://www.tokyo-sports.co.jp/writer.php?itemid=14100

 さて、デモの映像がまずい、とみるや、マスコミは、次々と有名な芸能人の名前を出して、彼らの語る原発反対論を流していく。その代表格が、

【村上春樹がバルセロナで反原発演説】http://www.newsmag-jp.com/archives/8567(←あ、村上氏、言っちゃいましたか、という感じ。大江氏といい、日本のノーベル文学賞候補とか受賞者はこんな人ばかりだな)

 村上氏だけでなく、そうそうたる文化人に加えて、加藤登紀子氏、坂本龍一氏といった、日本人の心を慰めてきた音楽の作り手たちの名前も登場する。このころは、「えっ、この人も左翼か」「この人もだったのか」と驚くような名前とコメントが次々挙がっていた。

 そんな中で、六月十二日、菅首相は、脱原発の信奉者の集まる「エネシフ」集会に出席。
 菅首相はソフトバンクの孫社長と並び、英雄扱いを受ける。
 松田美由紀氏(故・松田優作氏の奥様)などのツイッターでも、キャーキャー騒いでいたであろう、参加者のその場の興奮ぶりがよくわかる。

 動画 【エネシフ集会】放射能汚染の元凶に熱狂する気がふれた人々(←むごいタイトルですな)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm14758036

 きわめつけが、その会場で、菅首相は躁状態でゲラゲラ笑い、ピースサインをし、あげく、
 菅首相「菅の顔だけはもう見たくないという人が結構いるんですよ、国会のなかには。
本当に見たくないのか(←これを三回繰り返す)、それなら早いところこの法案を通したほうが良いよと。この作戦でいきたいと思いますので、よろしくお願いします」
 と、何の屈託もない笑顔で、語ったのだった。
動画 【本当に見たくない菅直人】 20110615 http://www.youtube.com/watch?v=Y_MauX8r7eU (←かなり腹が立つので視聴は要注意)

 ……正直、泣けてくる。
 これが自国の総理の姿とは信じたくない。
 ……被災地では餓死者が出、【原発周辺の知的障害者が大量に急死 】(毎日新聞) という記事も出ているというのに。
 いっぽうで、この期に及んで復興は全く進まず、逆に、次なる課題として、被災地を映す画面には大量のハエが飛び回りはじめていて、現地の衛生状態の悪化がわかり、ぞっとさせられるほどだ。(被災者でもある小野寺議員が懸命に訴えていたが、この件に関しても管内閣は何もしていないに等しいのではないか)
 なのに、首相は、自分のことだけしか考えて居らず、ひたすら延命できるとばかりに、この笑顔なのである。
 (ネットで「この顔を見て、悪魔というものが実在するということを思い知った」という書き込みがあった。……うむ、みなさん、ようやく気付かれましたか。)
 【さらに関連動画】6/15 エネシフ勉強会なる会合【缶「カンの顔を見たくないなら通せ」】http://www.nicovideo.jp/watch/sm14757242

 これにはさすがに、BSフジにて、
 福島県郡山市の視聴者FAX
「菅総理のケラケラ笑いピースサイン。何が可笑しいのでしょうか? 楽しいのですか?何のピースですか?私は 3.11以来、心の底から笑えません。あの 総理の姿を見て悔し涙が出ました。総理の側近の方々、教えて下さい。総理は一体 なにが可笑しいのでしょうか?」
 という血の出るような投書があった。
 それでも、そのときのテレビ局側は、「気分を害されたのだったらば申し訳なく思います。ただ・・・」といって延々と言い訳している。
動画http://www.youtube.com/watch?v=k13fS-yvv8U
ニコニコ動画版http://www.nicovideo.jp/watch/sm14778248

 その後も、マスコミの煽りは続く。
 引き続いての話題は、イタリアの国民選挙だ。
 この結果をもって「イタリアの国民選挙では反原発派が圧勝した」と派手に報じ、海外の基準に弱い日本人の心を揺さぶろうと報道はじめた。
 ところが、そもそもイタリアの今回の選挙は、なにかと問題の多いベルルスコーニ首相に関する信任選挙であったのだ。
 しかも、首相支持派には「当日、選挙に行かないように」という呼びかけまであったので、勢い、反対派が多く選挙に行ったことになる。
 この事実、知らないとは言わせない。なにせ、中日新聞ですら、
 【社説】 イタリア脱原発 欧州からの新たな警鐘
 「投票結果は、買春罪などで起訴されている現首相に対する審判の意味合いが強かったとはいえ、その深層にはイタリア国民の自然への畏怖があったと思いたい。 」
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2011061502000005.html と書いているのだ。
 だが、このポイントをマスコミは完全に伏せ、ミスリードをさそうように報道を繰り返した。
 そして、その煽りにのるかのように、

【菅原文太 吠えた!反原発三国同盟じゃ!!】 http://www.daily.co.jp/gossip/article/2011/06/15/0004172766.shtml(←日独伊の「反原発」同盟については、ほかからも声が上がっていたが、有名な俳優さんが言っているというのがポイント。しかし、「三国同盟」なんて単語じたい、平素なら反戦大好きなマスコミは袋だたきにするはずなんだがなあ)

【スタジオジブリが脱原発の横断幕…宮崎駿監督が考案】 http://www.sanin-chuo.co.jp/newspack/modules/news/article.php?storyid=1109655009 (←これはまあ、納得。なにせ、もののけ姫のメイキングなどを見れば分かるが、宮崎監督はガチガチのど左翼・エコロジストで、セルアニメの廃止にも大反対だった人物。やるだろうなと思ってました。)

 等々を大きく報じている。
 この期に及んで、マスコミ大応援団は、「なんの、菅さんは悪くない、すべて自民が悪いのだ、原発が悪いのだ、世界中の人が脱原発で動いている」、と訴え続けていた。
 そして、各社、定期的に政党支持率のアンケートを行っては、「首相の支持率はまだ三割、政党支持率も二割近くある」「自民の支持率なんて民主より低いか、よくてちょっと上回るぐらい」、という数字を出している。

 だが、イタリアの「反原発派圧勝」と同じからくりで、どうもこの数字自体怪しい、というのが今月、明らかになった。
 なぜなら、六月五日に報じられた青森知事選では、開票ゼロ分(!)で、民主の敗北が確定した報が流れ、開票が終わってみると、自民の候補が民主候補を、ダブルスコアどころか、4倍の大差をつけて瞬殺していることは報じられていない。これで内閣支持率が二三割とか、ちょっとありえないのではないか。
 青森県選管 http://www.aomori-s1.jp/chiji/HTML_K/kaihyoc_chi.html

 実際、マスコミの支持率調査は、誘導尋問に近く、必死で民主が頑張っていることを刷り込みしようとしている質問が少なくない。
 内閣支持率は、ゲタをはかせてもらった数字ではないのか、というのがますます明白になってきた。
 この擁護に次ぐ擁護によって、逆に、かなりの人たちが、マスコミと民主党がおかしいと思い始めたのではないかと思う。

 そして、ついに、六月十八日のフジのニュース。
 菅首相、視察先で、「ペテン師は辞めろ!」と罵声を浴びせられる。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00201722.html

 ……一年前を思い出す。
 「鳩山なんてしょせん金持ちのボンボン。菅さんこそ本当の民主の代表だ!」といわれ、「お茶の間に超人気」の某司会者からは「日本の夜明けだ!」と言われて迎えられ、あたかも救世主扱いされていた人物は、ここまで人びとから憎まれるようになってしまった。

 そして、そこまで見放された首相に対し、未だにその首を取ることが出来ない与党なのである。
 「もうだめだ 党内みんな メルトダウン」 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110520/stt11052023500014-n2.htmとか川柳読んでる場合ですか、と申し上げたい。(お気持ちはわからんでもないが)

 混迷に次ぐ混迷で、ひどい状態が続いている政局だが、この二週間、救いがあるとすれば、
【原発問題】IAEA閣僚級会合で海江田経産相 “日本は原発推進” を表明▼NHKニュース [6月20日21時46分]
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110620/t10013652791000.html  だろうか。
 海江田さんに関しては、G8で菅首相がいきなり「ソフトバンクと菅首相のつながり」について語ったときも「初耳」だと言っていたし、菅首相と意思の疎通が取れているのか微妙に不安だったのだが、菅首相からも「再稼働の方向で」という話がでているというので、とりあえず、この首相がかろうじて獲得されたかもしれない、蜘蛛の糸のような「良識」が、このまま切れずに続いて欲しい、と願うのみだ。
 (なお、上にあげたエネシフ集会の方々は、この動きに「えーっ、どうしちゃったの菅さん」と、がっかりしていると言うから、これで「反原発」層を支持層に取り込むことも出来ず、「郵政解散」を真似た「原発解散」もできなくなってしまった。本当に菅首相、目先のことしか考えないのだなあと感心する)

 さらに、もう一つ嬉しいニュースは、「理化学研究所などが開発中のスーパーコンピューター「京」が計算速度で世界ランキング1位を獲得」。
 こちらは手放しで心の底から喜べる。
 スタッフのみなさん、蓮舫議員の仕分けにもめげず、本当に良くやって下さった。日本人として感謝申し上げたい。
 (しかし、それに対する民主党のコメントというのが【「蓮舫議員の発言、むしろバネに」 スパコン世界トップで高木文科相】http://sankei.jp.msn.com/life/news/110621/trd11062112090009-n1.htmだもんなあ。
 これを読んで、「研究者の皆さんが謙遜で言うならともかく、仕分けを指示した民主党、お前らが言うなよっ!」と血管が切れそうになった人は、絶対に数多いはずですよ)
 
 ……菅首相、笑っていられるのは本当に束の間ですぞ。
 日本人がみな、被支配性(ガバナビリティ)が高い羊のようにようにおとなしい、などと侮るなかれ。
 たとえば今年、去年にも増す暑い夏になり、多くの企業が逃げ込んだ関西あたりで電力不足になり、計画停電どころか、大規模な「無計画停電」が頻発したりしたら。
 「日本で唯一打ちこわしが起きてもおかしくない土地」といわれる(←失礼)大阪府民は、絶対に黙っていないだろう、と思うのは小生だけではないはずである。
 そこへ中国海軍が尖閣に上陸、などといったらもう、この国は、目も当てられない。
 そんな未来に対処できない、と思うならば、総理の椅子だけでなく、政権そのものを、早々に問題解決能力のある政党に、お譲りいただきたいものである。

 なお、この流れに先立つ六月七日、幸福の科学・大川総裁は幸福実現党のついき党首と百分間ほどの対談をしている。
 こちらのブログで一部、政局などとからめてご紹介できるようならさせていただきたいと思っているが、マスコミや日本の未来、そして、ついき党首と大川総裁のお人柄がかなり如実にわかり、うんざりするような政局に対して、まだ日本に希望がある、と信じられる、嬉しい対談となっている。

 支部で一部始終を見ることが出来るので、まだの方はご覧あれ。
 対談は見たいのだが、幸福の科学への会員登録がちょっとなあ……という方は、わずらわしさのないネット会員に登録(入り口はhttp://www.hs-group.org/net/)してから、お近くの支部でさくっと拝聴だけされるとよろしいかと存じます。

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